2014年04月23日の議事録

【2014年04月23日の議事録】

 

 議事録は、速記能力のない人のメモ(要点)に基づいて作るのではなくて、

 

 一級・二級速記士による現場の速記と録音・録画による検証に基づいて作るべきである。

 

 一級・二級速記士によって作成された速記録を編集し、どこまで公開するかは、その会議の責任者が判断すればよい。

 

【<閣議>議事録初公開 透明性確保に課題】 

 

 (毎日新聞 4月22日(火)20時49分配信) 

 

 閣議議事録の公表の流れ(写真)

 

 政府が22日公開した閣議と閣僚懇談会の議事録は、

 

 形式的なやりとりにとどまり、

 

 政策決定プロセスの透明性確保に課題を残した。

 

 議事録が作成されたのは

 

 1885(明治18)年の内閣制度発足以来初めて。

 

 安倍政権は情報公開の姿勢をアピールするものの、

 

 政権側が「不開示」が適当と判断した閣僚発言は、

 

 非公開とされる仕組みとなっている。

 

 閣議は内閣の意思決定や政府提出法案、

 

 人事などを決める閣僚による会議で、

 

 閣僚懇は引き続き行われる意見交換の場。

 

 22日に公表された4月1日分の議事録は

 

 開催日時、場所、出席者、閣議案件、議事内容が記され、

 

 発言者と中身が分かるようになっている。

 

 1日の閣議では

 

 「武器輸出三原則」に代わる

 

 「防衛装備移転三原則」を決定した。

 

 議事録によると、

 

 安倍晋三首相は

 

 「新たな原則は

 

 防衛装備の移転にかかる具体的基準や手続き、

 

 歯止めを明確化し、

 

 内外に透明性を持った形で明らかにするもの」と説明している。

 

 議事録は閣議に陪席する3人の官房副長官

 

 内閣法制局長官の計4人がメモを取り、作成する。

 

 官房長官が責任者となり、

 

 「作成補助者」の内閣総務官が取りまとめ役。

 

 閣僚に発言の確認を求めた上で、

 

 3週間後に公開する。

 

 しかし、情報公開で焦点となるのは、

 

 議事録で何を公開するかだ。

 

 自民党の閣僚経験者は

 

 「閣議での発言は事前に役所が用意した『発言要領』を読み上げることが多い」

 

 と証言する。

 

 閣僚から予定にない「不規則発言」があっても、

 

 政府は情報公開法の基準で「不開示」に相当すると判断すれば、

 

 公開を見送る方針だ。

 

 閣僚を構成員とする政府の会議は現在、172を数える。

 

 稲田朋美行革担当相は22日の記者会見で

 

 「議事録を172の会議すべてで作成する」と表明。

 

 しかし、菅義偉官房長官は同日の会見で、

 

 議事録のない国家安全保障会議(NSC)の扱いについて

 

 「外交・安全保障上の機微に触れる情報が含まれる」と

 

 議事録公開に慎重姿勢を示した。

 

 閣議、閣僚懇の議事録作成・公開について、

 

 政府は公文書管理法の改正ではなく、

 

 閣議で決定した。

 

 公開まで時間のかかる法改正より、

 

 迅速な対応を優先したためだ。

 

 しかし、法改正がない分、

 

 運用面は時の政権任せになりかねない。

 

 情報公開の専門家からは

 

 「正確な議事録を作成するよう政府に義務づける法改正が必要だ」

 

 との声も出ている。

 

【時流・底流:閣議の議事録公開 恣意的な運用の恐れ】

 

 (毎日新聞 2014年03月10日 東京朝刊)

 

 報道陣に閣議室での映像撮影を認めた昨年1月8日の閣議=首相官邸で、代表撮影(写真)

 

 政府は4月から閣議と閣僚懇談会の議事録を作成し、

 

 3週間後に公表する。

 

 内閣の最高意思決定の場の内容が、

 

 初めて記録され明らかになる。

 

 しかし、手放しでは評価はできない。

 

 当初予定していた公文書管理法の改正によらず、

 

 閣議決定に基づく措置のため、

 

 議事録作成に法的義務がないからだ。

 

 「発言内容のうち何を議事録に残すか」は政府の裁量に委ねられ、

 

 恣意(しい)的な運用が可能だ。

 

 専門家から

 

 「政策決定過程の検証が可能な議事録が作られるかどうか疑問だ」

 

 などと批判の声が上がっている。

 

 ■法改正見送り

 

 2011年に政策決定過程の透明化をうたった公文書管理法が施行されたが、

 

 東日本大震災に関する会議の議事録が作成されていなかった問題が翌年発覚。

 

 民主党岡田克也副総理(当時)は、

 

 有識者による「閣議議事録等作成・公開制度検討チーム」を設置した。

 

 検討チームは12年10月、報告書をまとめた。

 

 (1)議事録の作成・保存を義務づける

 

 (2)短期間で公開されれば自由な議論を損なう恐れがあるため、

 

 原則30年で国立公文書館に移管し、

 

 移管後ホームページで公開する??と提言し、

 

 公文書管理法改正を促した。

 

 さらに翌月、

 

 閣僚の出席する174の会議についても、

 

 議事録の作成・保存を提言した。

 

 2012年末の政権交代後、

 

 こうした情報公開への動きと逆行する

 

 特定秘密保護法案について検討が本格化した。

 

 ただ、公明党は秘密保護法案提出と同時に、

 

 閣議議事録の作成を義務づける公文書管理法の改正も求めた。

 

 安倍晋三首相も

 

 秘密保護法案提出直前の昨年10月18日の参院本会議で、

 

 公明党山口那津男代表の質問に対し

 

 「政府部内で必要な調整、検討を行ったうえで提出する」と

 

 公文書管理法改正の意向を表明していた。

 

 ところが昨年12月に秘密保護法が成立すると、

 

 公文書管理法改正への動きは鈍くなった。

 

 今月4日の記者会見。

 

 菅義偉官房長官は、

 

 4月から議事録を作成し、

 

 3週間後に公開することを明らかにした。

 

 この際

 

 「法改正して30年後に公文書館に移管するより、

 

 現行法の中で速やかに公表した方が説明責任という観点から国民に理解してもらえる」

 

 と説明した。

 

 内閣府公文書管理課は取材に対し、

 

 「(法改正は今後)検討しない」と答えた。

 

 議事録は、

 

 同席する官房副長官内閣法制局長官のメモを基に作られる見通し。

 

 法律に基づく業務ではないため、

 

 発言のすべてが記録されることはなく、

 

 要旨にとどまりそうだ。

 

 さらに、

 

 安全保障などに関わる部分は非公開になる。

 

 ■「後世に意味なし」

 

 検討チームの元メンバーで現在、

 

 公文書管理委員会の委員を務める加藤陽子東京大学大学院教授は

 

 「これまで議事録が作られなかった理由は、

 

 自由な討議と内閣の一体性を確保するためだ。

 

 そこに留意しつつ、

 

 将来的に意思決定の経緯がたどれるような、

 

 正確な議事録を作成する義務を、

 

 公文書管理法を改正して書き込むべきだ。

 

 公開前提で選択的に残された議事録では、

 

 後世への記録としては意味がない」と批判する。

 

 特定秘密保護法に対抗しうる関係法令改正が

 

 置き去りになることを懸念する声もある。

 

 右崎(うさき)正博・独協大学法科大学院教授によると、

 

 公文書管理法を改正して特定秘密も同法の対象にすることを明記し、

 

 一定期間後に独立したチェック機関で秘密指定の是非を検証することが必要だという。

 

 また、情報公開法を改正すれば、

 

 裁判官が特定秘密を直接チェックする仕組み(インカメラ審理)も実現する。

 

 右崎氏は

 

 「こうした法改正がなされないまま、

 

 議事録だけを公開するのは

 

 『情報公開を進めていますよ』というポーズに過ぎない」と話した。

 

 ■ことば

 

 ◇閣議と閣僚懇談会

 

 定例閣議は毎週火曜、金曜に非公開で開かれる。

 

 政府提出法案、

 

 議員からの質問主意書への答弁書

 

 人事などを決める。

 

 閣僚懇談会は閣議後、

 

 閣僚が自らの所管にとらわれず意見を交換する。

 

【閣僚会議:例外なく議事録作成の方針 行政改革担当相】

 

 (毎日新聞 2014年04月22日11時24分)

 

 稲田朋美行革担当相(写真)

 

 稲田朋美行政改革担当相は

 

 22日午前の記者会見で、

 

 政府の全ての閣僚会議について、

 

 発言者や発言内容を明記した議事録を作成する方針を明らかにした。

 

 現在は議事録を作成していない国家安全保障会議(NSC)も例外扱いにしない意向。

 

 行政文書の管理に関するガイドラインを年度内にも改定し実施する。

 

 内閣府によると

 

 現在ある172の閣僚会議のうち、

 

 114の会議で既に議事録を作成。

 

 発言者や内容など一部未記載の会議が30、

 

 全く未作成が28ある。

 

 NSCを含めた安全保障関連の会議で未作成が多いという。

 

 作成した議事録の公開について稲田氏は

 

 「各省庁が適正に判断されると思う」と述べ、

 

 各府省庁の判断に委ねる考えを示した。

 

 閣僚会議の議事録公開については、

 

 安倍晋三首相が3月、

 

 閣議と閣僚懇談会の議事録を作成する方針に合わせ、

 

 稲田氏に検討を指示していた。